• ホーム
  • ダポキセチンの作用機序の解説

ダポキセチンの作用機序の解説

葉の上にあるピンクのカプセル

ダポキセチンは早漏症に適応する薬剤です。
まず脳内には、セロトニンとノルアドレナリン、ドーパミンという3種の神経伝達物質があり、様々な身体の反応をコントロールしています。
射精の場合は、この内、セロトニンとノルアドレナリンによって調整されています。
射精が意に反して早く行われる早漏症は、主に脳内のセロトニンが不足している場合に起きる症状です。

また、ノルアドレナリンの量が過剰な場合や、セロトニンの量が少ないために相対的にノルアドレナリンの量が多すぎる場合にも、この症状が発生します。
早漏を改善するダポキセチンは、作用機序として、脳内のセロトニン量を増やす働きがあります。
同時にノルアドレナリンの分泌を抑えます。
通常セロトニンは興奮を沈静化して、神経を鎮める作用があります。

さらに快感を増幅するドーパミンの作用を抑制する働きもあり、相互作用によって心や身体のバランスが保たれています。
一方、ノルアドレナリンは通常、交感神経系に働きかけて、身体を興奮させ、身体能力の向上に役立っています。
適量が分泌されると脳が覚醒して、集中力や向上心などが高まります。
そのため緊張感を維持するためには必要ですが、過剰な分泌は、神経を必要以上に高ぶらせてしまいます。

しかしダポキセチンの投与によってセロトニンが増加し、さらにノルアドレナリンが減少すると、射精が起きにくくなり、早漏症が改善されます。
尚、実はダポキセチンは、セロトニンそのものを作り出すわけではありません。
この薬剤は、セロトニン取り込み阻害薬、略してSSRIという薬に分類されています。

セロトニンはシナプス小胞から分泌されると、別のシナプス小胞に取り込まれ、再び利用されます。
しかしダポキセチンの作用機序として、セロトニンがシナプス小胞に取り込まれる作用を阻害するため、その結果として脳内のセロトニン量が増加します。
早漏に効くSSRIとして、ダポキセチンは高い評価を受けています。

ダポキセチンは元々抗うつ剤としての役割があった

ダポキセチンは元々は射精の研究ではなく、抗うつ剤の開発から生まれた薬剤です。
うつ病の治療には、これまで三環系抗うつ剤や四環系抗うつ剤などが使われていました。
しかし即効性には優れているが、人によっては副作用が強いというデメリットがありました。

これらの抗うつ剤の副作用としては、個人差もありますが、口渇感や排尿困難などです。
四環系では強い眠気が起きることもあり、中毒症状が現れたケースもあります。
ちなみに三環系の成分は、分子構造の中に3つの環状構造を持ち、四環系では4つの環状構造があります。
四環系抗うつ剤も三環系と同様の作用機序を持ちますが、比較的副作用が軽いことがわかっています。
三環系や四環系の抗うつ剤は作用機序として、脳内のセロトニンとノルアドレナリンの量を増加させます。

一方、SSRIのダポキセチンには、ほとんど副作用が見られず、三環系抗や四環系の抗うつ剤とは異なる作用機序で、脳内のセロトニンの量を効果的に増やします。
ただしセロトニンの再取り込み量は、人によって異なるため、効果が現れるまでの時間も違ってきます。
また、現在日本で販売されているSSRIには、フルボキサミンやパロキセチン、エスシタロプラムなどがあり、いずれも抗うつ剤として使用されています。

これらの薬剤の中でも、ダポキセチンは特に射精のコントロールに有効ということがわかりました。
ただしこの薬剤を服用することで、一部の人で不安改善や興奮の沈静化ではなく、逆に神経不安が増強したり興奮したりするケースが認められています。

そのため、射精コントロールの目的でダポキセチンを摂取した結果、万が一不安感が強まったり、興奮状態になったりした場合は、副作用と考えられます。
その場合は、速やかに服用を停止し、医師や薬剤師に相談することが望ましいです。

人気記事一覧